生命保険契約

意義:(保険2➇)保険者が人の生存または死亡に関して一定の保険給付を行うことを約する者

特徴:被保険利益が不要

 

 

保険契約の当事者とその組合せ

【保険者】:保険給付義務を負担する者

【契約者】:保険料支払義務を負担する者

【被保険者】:その者の生死に関し、保険者が保険給付を行うことになる者

【受取人】:保険給付を受ける者として契約に定めた者

 

<組合せの分類>

契=被、契=受・・・自己の生命の保険契約、自己のためにする保険契約

契=被、契≠受・・・自己の生命の保険契約、第三者のためにする保険契約

契≠被、契=受・・・他人の生命の保険契約、自己のためにする保険契約

契≠被、契≠受・・・他人の生命の保険契約、第三者のためにする保険契約

 

  被保険者 受取人
契約者 自己の生命の保険契約 自己のためにする保険契約

第三者のためにする保険契約


他人の生命の保険契約
自己のためにする保険契約

第三者のためにする保険契約

生命保険の種類

保険事故による分類

a)死亡保険契約・・・被保険者が死亡した場合に保険給付

          定期と終身がある

          遺族の生活保障が目的

          死亡原因は原則不問(例外:免責期間内の自殺)

 

b)生存保険契約・・・被保険者が保険期間満了まで生存していた場合に保険給付

          被保険者の老後の生活費確保が目的

 

c)生死混合保険・・・被保険者が保険期間内に死亡した場合は死亡保険金を、

 (養老保険)    満了まで生存していた場合は、生存保険金を給付

          ハイブリッド

 

保険期間による分類

a)定期保険

   ・満了時に生存していたら保険給付なし

   ・安価な保険料で高額の保障

   ・保険期間の途中で生存給付を行う「生存給付金付定期保険」が多い

 

b)終身保険

   ・保険期間の定めがない契約。

   ・死亡=確実、給付=確実、時期=不確定

   ・保険料の払込期間を設けているのが通例

 

給付方法による分類

一時金保険契約・・・全額を一時に給付する保険

 

年金保険契約・・・・年金の形式で順次給付するもの

 

被保険者の数による分類

単生保険契約・・・1名の被保険者(通常はこれ)

 

連生保険契約・・・2~3名の被保険者

 

団体生命保険契約・・・会社の従業員などが被保険者、会社が契約者

 

配当の有無による分類

利益配当付保険契約・・・保険会社の利益配当に参加させる

 

無配当保険契約・・・・・保険会社の利益配当に参加させない

 

診査の有無による分類

無審査保険契約・・・被保険者の危険測定を告知のみで行う

 

有診査保険契約・・・告知に加えて、医師の診断書等を併用

 

生命保険の性質

定額保険性

 すべて定額保険(主契約でも特約でも)

 損保のように損害てん補するものではなく、保険金が計算されることもない。

 

被保険利益

 ・定額保険であり、被保険利益は必要とされない

 ・保険価額も存在しないことから原則として超過保険、重複保険、一部保険の問題もない

 ・どの程度の金額の生命保険加入が認められるか

   -米英法系では生命保険でも被保険利益が必要

   -不釣り合いな加入はモラルリスクが疑われる

 

締結

・保険外務員の関与が一般的(申込みの誘因のみお行い、締結権はない)

・契約者の申込&保険者の承諾で成立(諾成契約)

・申込、告知、第1回目保険料がセットで効力発生

 

 

告知義務

◆意義

 (保険37)保険事故の発生の可能性に関する重要な事項のうち

 保険者が告知を求めたものについて事実を告知すべき義務

   質問応答義務

 

◆告知義務者

 契約者または被保険者

 

◆告知の相手方

 保険者または告知を受ける代理権を有する者告知受領権

  ・診査医     告知受領権あり

  ・生命保険面接士 告知受領権なし

  ・募集人     告知受領権なし

  ・外務員     告知受領権なし

 

◆告知の方法

 質問票(申込書)に記入  質問応答義務

 保険者が告知を求めていない事項については告知義務違反は不問

 

◆告知の時期

 生命保険契約の締結に際し、  成立までになされる

 告知義務違反について問題となるのは、締結の当時

 

◆危険

【保険危険事実】:保険事故発生率の測定に関する事実(客観的事実)

【道徳的危険事実】:不正な保険金請求を受ける危険の測定に関する事実(主観的事実)

 

◆重要な事項

 ・危険測定に関する重要な事項

 ・その事実を保険者が知っていたら締結しなかったか、高額な保険料を求めるような事実。

 ・告知書の質問=重要な事項

 ・保険者が質問できるのは危険に関する重要事項のみ(何でも質問してよいわけではない)

   -血族の遺伝子疾患 ⇒告示事項としていない

   -遺伝子診断  ⇒ 自主規制

 

告知義務違反の要件

【客観的要件】:重要な事実について不告知または不実告知

【主観的要件】:故意または重大な過失による、重要な事実について不告知または不実告知

 

◆告知義務違反の効果

 保険者が解除権を得る。将来効

 解除の意思表示は、一方的にすればよくその到達をもって解除。

 

◆解除権阻却事由

 <保険者の知・過失による不知>(保険55Ⅱ➀)

 告知受領権を持つものも含む   プロとして積極的な調査を求める

 

 <保険媒介者による告知妨害> (保険55Ⅱ➁)

 

 <保険媒介者による教唆>  (保険55Ⅱ➂)

 

 <解除権の除斥期間

  ・告知義務違反があったことを知った時から1か月以内に行使しなければ消滅

  ・締結から5年が経過したときも解除権消滅

 

 <因果関係不存在の法則> (保険59Ⅱ➀)

  不告知・不実告知の事実と無関係な原因によって生じた保険事故については、

  保険者が責任を負う。 (立証責任は契約者にある)

 

責任開始条項と責任遡及条項

<約款>

第〇条(当社の責任開始期)

当社は次の時から保険契約上の責任を負います。

(1)申込を承諾した後に第1回保険料を受け取った場合、第1回保険料を受け取った時

(2)第1回保険料充当金を受け取った後に申込を承諾した場合は、

  第1回保険料充当金を受け取った時

 

(1)=責任開始条項

   申込と承諾があっても保険料が支払われていない段階では不担保

(2)=責任遡及条項

   

保険契約の失効と復活

失効

<月払の約款>

第〇条(保険料の払い込み)

第2回以降の保険料は、毎月定める方法に従い払い込んでください。

 (1)月払の場合

   契約日の月ごとの応当日の属する月の初日から末日まで

第〇条(猶予期間および失効)

第2回以降の保険料の払い込みは、次の通り猶予期間があります。

 (1)月払の場合 払込期日の翌月初日から末日まで

 

猶予期間内に払込がない場合は、猶予期間満了の翌日から効力を失います。