金融論Ⅰ&Ⅱ

使用テキスト:金融論をつかむ

 

金融取引とは

【自給自足経済】barter economy:

各自が衣食住のすべてを生産し、自分で消費する。非効率。

少数の財の生産に特化した方が早く技術を習得でき、効率もよく多く生産できる。

分業の利益 アダムスミス国富論

 

【物々交換経済】exchange economy:

分業が進んだ社会では、必要な財を交換で手に入れる。交換相手を見つけるのに手間がかかる。

欲望の二重の一致が必要。こちらの持っている財を欲していて、こちらが欲している財を手放してくれる人と出会う必要がある。

 

【貨幣】:どんな個人でも自分の保有財を手放す対価として、喜んで受け入れる特別な財。

欲望の一重の一致  貨幣の本質は交換手段として用いられること。

 

【一般的受領性】general acceptability:

誰もが喜んで受け取るという性質。これがあれば貨幣と呼んでよい。

 

【貨幣経済】:monetary economy:財と貨幣が好感される経済。

 

【金融取引】:現在の貨幣と将来の貨幣の交換

農産物は腐るが貨幣は長期貯蔵が可能⇒資産形成

持てる者は限界費用逓減する。また保有貨幣を時間的に平均化したい。

⇒貸し手になる誘因がある。

 

 

Unit➂ リスク・ファイナンス

【信用リスク】:貸した資金が返ってこないリスク
【市場リスク】:資産の市場での価格にかかわるリスク

【オペレーショナルリスク】:上記2つ以外の多様なリスク

  内外の不正行為(横領、窃盗など)、システム障害、災害など

 

 

 

【リスク回避的】:

凹関数(上に凸)

一般的な効用関数の形状を持つ人

 

 【リスク中立的】:

効用関数は線形となる。

所有資産の大きさによらず、

1円の価値が常に一定の人。

お金持ちになっても太っ腹にならず,貧乏になってもケチケチしない

【リスク愛好的】:

凸関数(下に凸)

お金持ちになればなるほど

1円の価値が高まる

(ケチになる)人


リスクシェアリング

天候や市況などのリスクの結果、一方は利益を得、もう一方は損失を被るなど、

相反する効用を得る者同士が金融契約を締結し、互いのリスクを保険し、収益の平準化を図ること。

 

リスクプーリング

多くの人が集まって危険をプールすることにより、

同一の期待利得を得る(所得などを保障する)と同時に危険の費用を減少させる機能。

大数の法則が働くリスクに対しては、リスクプーリングが可能となる。

 

大規模災害のリスク

毎日数百件も起きている交通事故などと比べ、大地震などの大規模災害は、100年に1度などごく稀にしか発生しない。大数の法則が効きにくくリスクをプーリングするには1000年以上の長いスパンを設定する必要がある。これを民間企業が取扱うには無理があるため、保険の需要に対して保障内容が限定的で料率も高額になりがちである。リスクプーリングの難しいという大規模災害特有のリスク特性によるものである。