グローバル化とローカル化

立地論・都市システム論の観点からみた東京の変貌

課題(仮説)①

 日本の製造業は階層的立地に特徴づけられ、製品別分業工程間分業がされてきた。

 東京は階層的立地の「頂点」として位置づけられてきた。

 昨今の製造業の減退のなかで、東京の位置はどのように変化しているか

 

 

・世界都市(World Cities)

・グローバルシティ(Global Cities)

・グローバル都市-地域(リージョン)など

 

 (共通点)グローバル経済における結節点としての機能

  例)多国籍企業などの中枢管理機能の立地

    専門サービス業の集積

    他地域への経済的・社会的影響、ネットワーク上のハブ機能など。

 

製造業の減退(Ⅲ期):1995~2010年

世界都市東京論 → 製造業の減退(Ⅲ期)と重なる

 

事業所数や従業者数は、この時期に6割ほどに減少したが、

製品出荷額はほぼ同額、付加価値額、GDPに占める製造業の割合は、

それほど減少していない。

 

(参考)産業別生産性の議論(森川2016『サービス立国論』など)

 製造業:GDP割合は約4%減、就業者割合は約6%減  

     (一人当たり付加価値増)

 サービス業:GDP割合は約4%増、就業者割合は8%増

     (一人当たり付加価値減)

 

Ⅱ期(1970‐80年代)以降に東京の中枢管理機能の強化が進んだ。 

 加工組立型製造業企業による「企業内地域間分業」論

 大企業の管理機能の拠点性からみた「都市システム」論など

 

製造業からみた東京の拠点性→本社立地の分布

事業所機能の事例研究などから検証。

企業内の所得・資金流動からも一部裏付けられた。

 

所得の地域間移動

「工業統計表」の付加価値額

①雇用者所得Ⅰ:工場労働者の所得

②雇用者所得Ⅱ:本社等の労働者・役員の所得

③法人企業所得:本社等で計上される企業所得

④各種間接費:工場、本社、支社など

 

「県民経済計算」 付加価値の流動データを見ると

東京都への所得移転は減少傾向(Ⅲ期)

 →製造業における階層的立地モデルの終焉?

  あるいは東京と他地域との連結性/連動性の弱化?

 

「産業連関表」の「本社生産額」

東京の地域特殊要因が大きい

 

 

 

課題(仮説)②

 1990年代に入って、日本全体では製造業の国内生産減少が顕著となり、

 大企業の海外展開やものづくり基盤技術を支えてきた中小・零細企業の廃業など、

 産業空洞化が問題となった。

 同時期に、東京では再開発が進展し、今日に至るまで都市再開発ブームがみられる。

 東京において、製造業の減退と都市再開発にはいかなる関係性が見いだせるのか

 

産業構造の変革に合わせて、再開発が進んでいる

 

中小・零細工場と再開発の関係(補遺)

東京都では、2000~2005年に中小・零細工場が約9000社減少。

東京の不動産開発ブームと重なる。

住工混在地域での減少が顕著。

 

製造業の階層的立地の変化

 ・市場環境の変化(国内需要の減少、グローバル競争)

 ・生産機能重視から研究開発・技術開発重視へ

 ・持たざる経営へのシフト、持株会社解禁などの変化

   →東京に立地する事業所の機能変化

 

製造業の立地集約化と都市再開発

 ・基幹となる主力工場への集約(他工場は閉鎖)

 ・中小・零細企業→まちづくりとものづくりの融合

 ・既存の支援施設・中小企業団地・工場アパートとは異なる動き

 

 オープンファクトリー→大田区、墨田区(スミファ)、台東区(モノマチ)

 ファブラボ、オープンラボ→秋葉原、大田区(くりらぼ多摩川)