ファイナンス論

金融取引とは、不確実性を伴う異時点間の貨幣の交換

 

例)銀行から100万円を借り、年利2%を支払い、5年後に返済する

 

金融・証券市場の区分

期間の区分

長期金融市場(満期1年超)

  証券市場(資本市場、Capital market)

    株式市場・・・普通株、優先株、劣後株など(返済義務なし)

    債券市場・・・国債、地方債、社債など(返済義務あり)

  長期預金・長期貸付市場

 

広義の短期金融市場(満期1年以下)

  狭義の短期金融市場(マネー市場)

    インターバンク市場・・・コール市場、LIBOR、TIBOR

    オープン市場・・・債権レポ、債券現先、CD、短期国債、CP

  短期預金・短期貸付市場

 

間接金融と直接金融

【間接金融】:資金の貸し手は、金融機関に預金し、金融機関が資金の借り手に貸付をする

【直接金融】:資金の貸し手が、証券市場で直接資金の借り手に投資する

資金調達方法の分類

自己資本か他人資本か

発行市場と流通市場の分類

発行市場(一次市場、Primary market)

  ・新規に証券が発行される市場

  ・証券の発行者が投資家から資金を調達

  ・証券会社は主幹事アンダーライターとして機能

 

 

流通市場(二次市場、Secondary market)

  ・発行された証券が流通(売買)する市場

  ・市場参加者間で売買が転々と行われる

  ・証券会社がマーケットメーカーブローカーとして機能

 

現物市場とデリバティブ市場の分類

現物市場(Spot market)

  ・金融商品が即金取引される市場

  ・成約したら取引額分の資金が必要

  ・取引対象:株式、債券、為替

 

デリバティブ市場

  ・取引対象:先物、先渡、スワップ、オプション

  ・成約したときは、少額の資金やりとりやゼロコストの場合が多い

  ・現物市場をはるかに上回る取引量

 

取引所取引と店頭取引の分類

取引所取引(Listed)

  ・取引所に上場された金融商品の取引

  ・東京証券取引所、大阪証券取引所、東京金融取引所など

   2013年 東証と大証は経営統合し、日本証券取引所グループへ

 長所:取引の開示性がある(取引状況を誰もが知ることができる)

 短所:上場企業の株式のみ取引できる

 

店頭取引(Over the counter、OTC)

  ・取引所に上場されていない金融商品の取引

  ・証券会社の仲介の他、投資家同士の直接取引もある

  ・取引対象:国債、社債、為替、金利スワップ、エキゾチック・デリバティブ

 長所:金融取引の柔軟性がある(どのような取引でもできる) 

 短所:取引の開示性がない(投資家同士で取引した場合、どのような取引ないか不明)

 

プレイヤー別の分類

セルサイド(Sell side)

  ・証券会社(株式、債券)

  ・銀行(為替)

  ・金融市場の仲介機関として在庫である金融商品を売買

  ・業務内容:ブローキング、ディーリング、アンダーライティング

 

バイサイド(Buy side)

  ・運用資金を持つ最終投資家

  ・銀行、年金、投資信託、生保、ヘッジファンド、一般企業、個人

  ・業務内容:アセットアロケーション、銘柄選択、投資タイミング決定、リスクリターン分析

 

金融・証券市場のインフラストラクチャー

◆法整備・・・政府(おおざっぱ)

 

◆自主規制機関・・・証券取引所や日本証券協会などが詳細なルールを作成

 

◆決済システム・・・証券取引所、日本銀行、証券保管振替機構、日本証券クリアリング機構

 

◆監視機関・・・金融庁(金融機関の経営の監視)

        証券取引等監視委員会(取引の監視)

        自主規制機関(期間所属メンバーのルール遵守状況の監視)

 

 

部門別の分類

企業部門・・・昨今では資金余剰の傾向

 

個人部門(家計)・・・貯蓄率の高さから資金余剰

 

政府部門・・・資金不足(国債の大量発行)

 

海外部門・・・経常収支の黒字が維持されているため資金不足