労働法 → 非正規労働者と法

非正規労働者とは

 

非正規雇用──┬──直接雇用──┬──有期契約労働者

           │          └──パートタイム労働者

      └──間接雇用──┬──派遣労働者

                       └──請負労働者

 

全労働者に占める非正規労働者の割合 

 1985年:16.4%  2016年:37.5%

 

 バブル崩壊による雇用環境の悪化が背景 ⇒ 規制緩和

 

日経連「新時代の日本的経営」1995年

  • 長期蓄積能力活用グループ  長期勤続 定着 無期契約
  • 高度専門能力活用グループ  中期勤続    有期契約
  • 雇用柔軟グループ      短期勤続 移動 有期契約

 

有期雇用契約者の雇止め法理

  • 無期契約と実質的に異ならない
  • 契約更新に合理的に期待

このような場合は、解雇権濫用法理を類推適用する。つまり

  • 客観的合理性
  • 社会的相当性

が必要。ない場合の解雇は、無効で契約更新となる。

 

一方でこんな判例もある。

<日立メディコ事件>

臨時員は、簡易な採用手続きで締結された短期有期契約を前提とするものである以上、雇止めの効力を判断する基準は、正社員を解雇する場合とは、おのずから合理的な差異があるべきである

 


日本における賃金決定

正規労働者 ➝職能給➝ライフステージの変化に対応

非正規労働者➝職務給

 

正規・非正規労働者間の賃金格差

<判例~丸子警報機事件~>

労働基準法3条、4条は、均等待遇の理念が存在していると解される。

その理念に反する賃金格差は公序良俗違反の違法を招来する場合がある。

 ⇒違法とまでは言ってない

 

2007年以降の法改正で非正規労働者の雇用環境は変化してきた。

 

2012年 労働契約法改正(有期労働契約に関して)

  1. 「無期転換ルール」の創設(出口規制)2013年4月以降の契約が対象
    有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定無期労働契約に転換できる(無期転換申込権)。申込の次回の契約から無期化。
  2. 「雇止め法理」の法制化
    <対象となる有期労働契約(下記のいずれかに該当)>
    ◇反復更新された有期労働契約(東芝柳町事件)
    ◇更新への期待について合理的理由があるもの(日立メディコ事件)
    ⇒客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、雇止めが認められない。(労働者から契約更新の意思表示が必要)
  3. 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
    有期労働契約と無期労働契約とで、「職務内容」「配置変更の範囲」「その他の事情」を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
    <対象となる条件>
    賃金、労働時間のみでなく、災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚⽣など ⼀切の待遇が含まれる。

 

パートタイム労働法の主な内容

  • 労働条件に関する文書の交付(昇給、退職手当、賞与の有無も明示)
  • 就業規則のパート関連規定の作成・変更の場合のパートタイマーの過半数を代表するものからの意見聴取
  • 均等・均衡待遇
    【均等待遇】:同じである以上、同じ扱いが求められる
    ⇒職務内容、人材活用の仕組みが通常の労働者と同等の時短労働者は、全ての待遇で差別的取扱を禁止。
    【均衡待遇】:差異を設けることが合理的でも差異に応じた扱いが求められる
    ⇒職務内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮し、不合理な相違は禁止。
    <パートタイム労働法>均等待遇、均衡待遇
    <労働契約法>不合理な労働条件の相違の禁止(均衡待遇)
    <派遣法>均衡を考慮した待遇の確保
  • 通常の労働者への転換を推進するための措置(次のいずれかを実施)
    ◇通常の労働者の募集を行う場合、掲示等で募集内容をパートタイマーに周知する
    ◇通常の労働者の配置を新たに行う場合、当該配置の希望を申し出る機会をパートタイマーに与える
    ◇一定資格を有するパートタイマーを対象とした通常労働者への転換試験制度設置
    ◇その他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること
  • 待遇の決定にあたって考慮した事項の説明
  • 事業主が講ずる措置の内容等の説明義務

 

同一労働同一賃金の議論

<導入の背景>

  • 家庭生活上の制約が大きい女性、正規雇用に就けない若者、定年後の高齢者などにおいて、その働きぶりに見合わない低い処遇を受け、能力が発揮できていないものが数多く存在。
  • 非正規労働者の公正な処遇を促し、魅力的な就業環境を整えていくことが、一億総活躍社会の実現に向けた不可欠の取り組み。